カラープロファイル

カラープロファイルとは

パソコンのディスプレイやプリンタ,デジタルカメラ等,色を取り扱う数多くのデバイスが身近にありますが,これらのデバイスの特性を考虑し,元の环境(作成した环境)の色を可能な限り再现するために考えられたものがカラープロファイル(颜色配置文件)です。

デジカメで撮影した画像を异なるディスプレイで表示した际,见え方が异なる(片方はより鲜やかに见える等)といった経験をされたことはありませんか?これはディスプレイによって表现可能な色域が异なるため,元画像の色を忠実に再现できなかった等の可能性が考えられます。
このようなデバイス依存を无くし,2つのディスプレイで同じように元画像を表示するためにはカラープロファイルが必要になります。

カラープロファイルは,具体的にはディスプレイ等のデバイスの特性を含むデータになります。このとき,デバイスに依存するRGBやCMYKといった相対色を基准にするのではなく,实验室といったデバイス非依存の绝対色を基准としてデータが保存されます。従って,ディスプレイやプリンタといった画像出力デバイスは,このプロファイルを基に自デバイスの特性に合わせて画像データを変换して出力します。

カラープロファイルは様々なデバイス间で理解できる,共通のフォーマットで作成されている必要があるために标准化が行われています。现在はICC(国际色彩联盟)によって策定されたICCプロファイルが主に利用されており,このフォーマットに基づいて各団体やデバイスメーカーがプロファイルを提供しています。

カラープロファイルを利用した色変换

色空间について

カラープロファイルについて概要を说明しましたが,ここでは色を表现するための方法として,色空间と呼ばれる考え方について说明します。最も身近な色空间としてはRGBが挙げられますが,これは光の三原色である赤,绿,青の3つの色の数値を変化させることで様々な色を表现します.RGBによる标准规格としては的sRGB(标准RGB)があり,ディスプレイやデジカメ等で良く用いられている色空间になります。但し,RGBは相対色と呼ばれており,例えば発色特性が异なるディスプレイが2台あった场合,それぞれで异なる色に见えてしまう可能性があります。

様々な色の构成方法(RGB色空间)

また,プリンタや印刷业界ではCMYKが良く用いられます.CMYKは减法混色に基づく色の表现方法で,シアン,マゼンタ,イエロー,黒の4色で构成されます。印刷物はディスプレイのように発光していないので,减法混色が采用されています。基本的にはシアン,マゼンタ,イエローの3色で黒も表现可能ですが,色を重ねると色の沉みが生じやすいことや,インクの速干性の问题,消费量の问题等から黒が加えられて4色になっているようです。このCMYKもRGBと同様に相対色となります。

また,RGBとCMYKを比较した场合,CMYKはRGBに比べて表现できる色の范囲が狭いので,注意が必要です。

一方,デバイス特性に依存せずに色を明确に示すことができる色空间も存在します.L * A * B色空间などが该当し,相対色に対して绝対色と呼ばれています.L* A * bはできるだけ人间の感覚に近い均等な色空间として考案されたもので,补色空间の一种となります.L *は明るさを表し,A * b *で色を表现します.A *の値がプラス方向になれば赤みが増し,マイナス方向になれば绿が强くなります。また,b *表の値がプラス方向に増していくと黄色が强くなり,マイナス方向で青みが强くなります。

様々な色の构成方法(L * A * B *色空间)

RGB,CMYK,L * A * B *といった色空间について绍介してきましたが,これら以外にも目的や用途に応じて様々な种类があります。注意すべき点としては,それぞれの色空间で表现できる色域が异なることです。例えば,RGBで表现できていた彩度の高い色がCMYKでは表现できず,変换后にくすみが出たりする可能性があります。この场合,CMYKで表现できる色に置き换えられることになりますが,表现できる范囲はデバイスによって异なるため,変换にはカラープロファイルが用いられることになります。

色度図

各色空间が表现できる色の范囲(色域)を体系的に表す方法のひとつとして,XYZ表色系があります。これは国际照明委员会(CIE)が定めた色の表示基准であり,RGBでは表现できない色域を数学的に回避するために考えられた表色系です。(RGBでは,青紫〜黄绿系の色を表现する际にRGBの系数に负の値が生じる问题がありました)

XYZは3刺激値と呼ばれ,それぞれが概ねRGBに対応した色であると考えることができますが,RGBという三原色で再现できない色(虚色)も表现可能としています。

一方,XYZ表色系ではXYZの3刺激値は虚色の混合量であるため,人がXYZの値を见てもどのような色であるかを判断することが困难であるという问题がありました。そこで,XYZの3刺激値の比率を用いたXYZ表色系が考えられました。ここで,XYZは下记のような计算式で表すことができます。

\ [X = \压裂{X} {X + Y + Z},Y = \压裂{Y} {X + Y + Z},Z = \压裂{Z} {X + Y + Z} \]

このXYZ表色系を使い,Xを横轴に,Yを横轴として色を表した図を的xy色度図といいます。明るさに相当する情报は含まれませんが,どのような色であるかを把握するには十分な情报があり,各色空间で表现できる色域を示す基准として広く使われています。

色度図

テストチャート

色の再现性の评価や阶调·解像力の性能评価にはテストチャートが用いられます。色の再现性の评価であれば多数の浓度パッチを配列したテストチャートが用いられ,解像力の性能评価であれば白黒の细线を放射状に缲り返したようなテストチャートが用いられますが,复数の指标を一度に测定できるようなチャートも存在しています。

以下に示す的Imatest®ESFRテストチャートは単一のテストチャートを利用して鲜鋭度,色收差,ノイズ,シーン照明,色精度等の测定ができます。

Imatest的ESFRテストチャート

このチャートには目的に応じたパッチの场所を正确に捉えるためのレジストレーションマーカーが备わっており,利用者侧はこのマーカー(黒と白の格子缟の4つの円)を検出し,所望の领域を定义します。

以下は色精度を测定した例ですが,下図左侧はチャートからカラーパッチを検出し,各パッチにラベルを付けた図となり,右侧は测定値と基准値を比较した结果となります。各パッチにはさらに内侧に正方形の领域が示されていますが,この领域の色が测定色,外侧が基准色を表しています.ΔEは精度を表しており,测定色と基准色の间のユークリッド距离を表したもので,精度が高いほど数値は小さくなります。

チャートを利用した色精度の测定

MATLABにおけるカラープロファイル·色空间の取り扱い

上述の通り,意図した通りの色を表现するためにはカラープロファイルを适切に取り扱い,各デバイスで扱うことのできる色空间に変换を行う必要があります.MATLABは画像处理系のオプション制品 -图像处理工具箱™によって色空间の変换やカラープロファイルの取り扱いがサポートされており,カラープロファイル(ICCプロファイル)の読み込みや书き込み,プロファイルを利用した色空间の変换などをコンパクトな记述で行うことができます。また,本ページでご绍介した的Imatestテストチャートを利用した画像の评価もサポートされており,チャートからの特定のパッチの抽出や色の精度测定,结果の可视化などを行えます。いずれもプログラミングのご経験が浅い方でも使いやすいようにデザインされており,ヘルプドキュメントを参考にしながらすぐに动かすことができます。



ソフトウェアリファレンス

参考:画像解析史蒂夫の画像处理(英语)デジタル画像处理(英语)画像および动画处理

无料の例

画像处理のヒント,手法,およびコード

MATLABを使用した色のセグメンテーション,画像领域解析,および分水岭セグメント化について顺を追って绍介します。

例を参照