OFDM(直交周波数分割多重方式,正交频分复用)とは,ディジタル変調方式の一つです。
マルチキャリア伝送の一つで,各サブキャリアが直交することにより,シンボル間の干渉を抑え,高速かつ高品質で通信できる技術として,1960年代に研究がスタートしました。マルチパス環境に強いことから,ディジタル放送だけでなく無線通信分野でも使われるようになり,IEEE 802.11 a / gなどのWiFi規格や,LTE, ISDB-Tなど様々な規格で使用されています。
米姆と組み合わせることで,周波数帯域を増やすことなく通信速度を向上させられることが知られていますが,5克(第5世代移動通信)でも,OFDMをベースとした効率的な変調方式が提案されています。
以下の図は,シングルキャリア変調とマルチキャリア変調の波形をそれぞれ周波数軸と時間軸で表しています。マルチキャリアで複数のデータを同時に伝送できるため,1シンボルあたりの時間をキャリア数分長くできるため,ノイズの影響を受けにいと言えます。
OFDMの原理
OFDMはQPSKや16 qamなどで1次変調した周波数波形の情報信号を,传输线することで,時間軸波形に変換し,アンテナから送信できる波形に変換します。前述の1次変調に対して,2次変調とも呼ばれます。
逆離散フーリエ変換式は以下のとおりです。
$ $ f (x) = {1 \ / N} \ sum_ {t = 0} ^ {N} f e (t) ^{我\压裂{2 \πxt} {N}} $ $
OFDMはそれぞれのサブキャリアの振幅が最大になる時,それ以外のサブキャリアの振幅が0になるように1 /シンボル時間の間隔でキャリアを配置するため,シンボル間の干渉を防ぐ事ができます。(下図)
また,マルチキャリア伝送のOFDMがマルチパスに強い理由は,シングルキャリア伝送と比較して,マルチパスの影響が特定のサブキャリアに集中するためです。シングルキャリア伝送の場合は,全体に影響がでてしまいます。
より性質を発揮するため,直接波と反射波の到達時間差が大きくなるサービス範囲が広い規格では,サービス範囲の狭い規格と比較して,サブキャリアの本数が多くなっています。
5 gシステム向け技術として検討されているOFDMをベースとした技術
5克に向けて,OFDMをベースとした様々な技術が検討されています。ここでは,その一部を特徴を交えながらご紹介します。
- CP-OFDM(サイクリックプレフィックスOFDM)
OFDMシンボルの先頭にサイクリックプレフィクス(CP)と呼ばれる上長信号を付加します.OFDMシンボルの後端からの一定時間分のデータをサイクリックプレフィクスとしてOFDMシンボルの先頭挿入することで,シンボル間干渉(ISI),キャリア間干渉(ICI)を抑制する技術です.LTEでも使用されています。 - W-OFDM(加窗OFDM,加权重叠和基于加法的OFDM)
传输线後のOFDMシンボルの先頭にサイクリックプレフィクス(CP)をOFDMシンボルの末尾にサイクリックサフィックス(CS)を付加し,OFDMシンボルの最初と最後の振幅が3 dbになるようにウィンドウ処理を行う技術です。 - F-OFDM(过滤OFDM)
フィルタ処理されたOFDM.OFDMシンボルの複素領域の直交性を維持しつつ,サブバンド信号の帯域外放射を改善するために設計されたフィルタを,時間領域OFDMシンボルに適用する技術です。 - UTW-OFDM
ユニバーサル時間軸窓直交周波数分割多重方式と呼ばれています.LTEに対する簡単な信号処理を追加することで,帯域外への漏洩電力を大幅に抑圧できる技術です。京都大学が,2016年に世界で初めてUTW-OFDMの実証実験に成功しています。 - FBMC(多载波滤波器组)
サイドローブを低減するために,サブキャリアごとにフィルタリングを行う技術です。 - UF-OFDM(通用滤波器多载波)
サブバンドごとにフィルタリングをおこない,サイドローブを低減する技術です.FBMCと比較して,フィルタ長が削減できます。 - 通用频分复用
FBMC同様にサブキャリアごとにフィルタリングを行う変調方式ですが,フィルタリングすることで,直交性が失われます。
OFDMの特徴
- OFDMの利点
OFDMを構成するサブキャリアに複数のユーザーを割り当てる事(OFDMA:直交周波数分割多元接続)ができます。直交(1 /シンボル時間の間隔で配置)させることで,周波数を効率よく利用できます。マルチパスによる伝送歪に強く,複雑なイコライザを用いずに,エラー訂正などで復調が可能になります。
- OFDMの欠点
信号の振幅が大きく変化するため,ピーク対平均電力比が高くなり,アンプが許容する平均送信電力より小さく設計したり,ダイナミックレンジの広いアンプを使用する必要があります。
特に,キャリア間隔が狭い場合に,OFDMの効果はドップラシフトに対して弱くなるので,ダイナミックレンジの広いアンプを用いることが望ましいといえます。
MATLABを活用したOFDM
MATLAB®は,効果的にOFDMを使用したアルゴリズムの解析やリンクシミュレーションが行えるオプションや機能を提供しています。
トレーニング信号,パイロット信号,0パディング,サイクリックプレフィクス(CP)、FFTのポイントなどパラメータを設定するだけで,OFDM変調ができる関数やブロックがあらかじめ用意されているほか,基本的な関数やブロックを用いて,OFDM変調を行うことも可能です。